今を生きる
中学のときの学年だよりのタイトルだ。
英語の先生が考えて、筆で手書きで書いたものをタイトルにしていた。
その先生は私の中1のときの英語の先生で、
私は最初の英語のテストで34点を取った。
今まで見たことのない点数でショックを通り越して、笑いが出た。
いわゆる中1ショックというものだった。
penをpennと書いていた。
friendをfurenndoと書いていた。
ローマ字が英語でなく、日本語であるということを理解していなかった。
だって、小学校の先生はローマ字が出来れば、中学校での英語は大丈夫だと言っていた。
車の中で泣いたのを覚えている。
目の前を通過する[EPSON]の看板を見て、なんでEPUSONNではないのか?と母に問い詰めて、母に英語は覚えるものよ、と諭された。
ショックを受けたし、そんなの無理だと思った。
一体いくつの英単語を覚えなければいけないのかと絶句した。
漢字だって覚えられたんだから大丈夫。と言われても納得できなかった。
学校の階段で英語の先生とすれ違ったとき、先生は私の名前を呼んだ。
三十数名いる教室で週に数回しか会わない先生だ。
私の名前を覚えていたことに驚いた。
今となっては何を言われたかはっきりとは覚えていないが、おおむねこのようなことを話されたと記憶している。
「テストの点数が低くて、びっくりしたよな。けど、大丈夫。あなたはちゃんとやっている。次は大丈夫だよ。」
私は小さく返事をすることしかできなかった。
けど、顔が赤くなっていたと思う。
中1ショックに沈んでいた私を見つけてくれた。
それだけで非常に嬉しかったし、感激した。
それ以降、直接声をかけられたこともないし、私から声をかけることもなかった。
だけども、私はちゃんと壁を乗り越えることができた。
飛べ
飛行機が離陸する瞬間
壊れるんじゃないかというくらい大きくて重たい機体がゴトゴトガタガタと走りだし、飛べ、というより、飛ぶ!という緊迫感がやってくる。
体がふわっと浮いて、車輪が地面を蹴ったのを感じる。
エンジンのゴオオオオオオというエネルギーを感じながら、真っ直ぐに天に向かって上昇していく。
窓の奥に小さくなっていく町並みを見つめながら、このエネルギーが事切れないことを私は強く祈る。
今、エンジンが止まったら鼻先から真っ逆さまだ。
そんな想像を常にシュミレーションしながら、前のシートの背を手のひらで力強く掴む。
飛べ!飛べ!と祈りながら。
毎度、飛行機から降りると手が痺れている。
ジェットコースターを降りたあとも手が痺れる。
こういうのはジェットコースター症候群とでも言うのかと不思議に思って調べてみたら、
ただ単にシートを握りしめる手に力を入れすぎて、血流が悪くなっただけらしい。
シートを強く握りしめたところで、落ちるときは落ちるのに。
世の中に100%はないと知っているから。
身を委ねる相手を自分以外に置くことは恐怖である。
では、自分になら身を委ねられるのか?
私たちは自分たちの能力で支えあって、生きている。
だから、私も誰かから身を委ねられているのかもしれない。
みな、誰かの命を抱えながら飛んでいる。
落ちないように、落とさないように、
飛べ!
Special Day
そんなのもう今日に決まってる!
明日から夏休み。
やっとやっとこの日が来た。
4月からずっとずっと待っていた。
新しいクラスメイト、新しい担任の先生、毎時間変わる変わるやってくる教科の先生たち、新しいことになれるのにすごく疲れた。
どんな人か様子を見たり、ときに我慢をしたり、我慢ができずに自分の気持ちをぶつけてみたり、人間関係で悩んだこともあった。
学校で習ったことなのに、家に帰ってから問題を解いてみると全然分からなくて机に突っ伏したこともあった。え、こんなの習ったっけ?
けど、毎日たのしかった。家にいるより全然マシだった。話の合う友達、バカなことをするクラスメイト、いつも雑談ばかりして授業を進めない先生、毎日メニューの変わる美味しい給食
けど、やっぱり今日はSpecial Dayだ。
明日からは夏休み、思いっきり遊ぶぞ!
楽しむぞ!好きなことするぞ!!
揺れる木陰
木陰が揺れて、さっと君の気配を感じる。
また来てくれた。
暑い陽射しの中・・・
さて、今日はなんの話をしよう?
昼間の夢
白昼夢みたいだな、と思ったことがある。
朝一に職場に行って、1番最初の仕事がのだめカンタービレの映画を観ることだったときだ。
ちょうどのだめにハマっていた時期だった。
え、仕事でのだめを観ていいの!?と
まるで夢みたいで、そして涙がでた。
忙しい仕事だが、たまにこういうことがある。
仕事でテーマパークに行ったり、
オーケストラを聞いたり、
ブタの目を解剖したり、
化石を取りに出掛けたり、
夢か現実か分からない。
仕事か趣味か分からない。