白い吐息
冬だ!!これも凝結だ!
きらめく街並み
といえば、イルミネーション
秘密の手紙
といえば、匿名ラブレター
小学生高学年の頃、母が私のクラスの同級生のことを「かっこいい子だ、いい子だ。」と言った。
私のその男子の恋を応援すると言った。
私は特に好きではなかった。?
いや、好きだったのかもしれない。
分からないけど、空手を就学前から父親に教わりながらやっていた彼は世界大会に出場するほどのちょっとした有名人だった。
家が近いのでよく彼を含めたグループで道草をしながら帰っていた。
匿名ラブレターを渡したことと前後関係は定かではないが、ある帰り道に二人きりになって地下道でこう言われた。
「俺とお前が結婚したら、俺は空手のチャンピオンになるから、お前はマラソン選手になれ。」と。
結婚したら??
これはプロポーズ?
小学生ながらに驚いた。
そのときの私は「はぁ、なに言ってるの?」としか答えられなかった。
好きかどうかは定かではないが、母の薦めもあって私は彼に匿名ラブレターを書いた。
筆跡がばれないようにロボットのようなカクカク文字で空手選手としての活躍を応援していることと好きであることを伝えた手紙だ。
名前を書かずに夜に母と彼の家のポストに投函しに行った。
さぞ、この匿名ラブレターは怖かったと思う。
だけど、彼は学校では一切この手紙のことを話題にしなかった。
受け取っていないのではないか?
母があのあと手紙を回収したのではないか?
と疑うほどだった。
だけど、お喋りな彼が話題にしないのはある意味真剣に受け止めたのではないかという可能性もあった。
よく分からぬまま、私たちは中学生になった。
私は持久走が得意だったから陸上部に入部し、
彼は競技人生を野球に切り替えた。
そのあとの話はまた次の機会に。
冬の足音
朝、起きるのがつらい。
贈り物の中身
ずっ友の親友がいる。
家が近所で、仕事も一緒だ。
中学まで同じだった。
彼女は極端にプレゼントのセンスがない。
私は彼女の就職祝いに一万円の似顔絵スタンプを贈った。プロに似顔絵を描いてもらって、彼女のトレードマークのカエルのイラストも入れた。
喜んでくれたかは分からないが、かなり凝ったプレゼントであることには自負がある。
ところが、彼女が私の就職祝いにくれたのは、青色のバインダー1つだった。
確かに実用性はあるが、実習のために自分で購入したものと瓜二つだった。色なんて全く一緒だ。
そもそも値段差がかなりある。
私が大学院生の身分で贈ったものと、彼女が社会人2年目の身分で贈ったものとの差に正直思うところがあった。
とはいえ、そんなセンスのなさも長年の付き合いで彼女らしいと思えるようになっている。
世の中にはプレゼントのセンスがない人がいること身をもって学んだのだ。
なんとなく歳を重ねるにつれて、私と彼女の間ではプレゼント交換はしなくなった。
彼女も選ぶのに苦心するし、プレゼント1つでお互い気分悪く過ごしたくないからだ。
そんなこんなな距離感で彼女とは今でも仲良く関係が続いている。