【タイミング】
出会って、別れて、
出会って、別れて
そんななかで出会うあなたに、
近づきたいけど、
君にはもっと大事な人がいて、
勝手に離れてしまった、
だから私は願い続ける。
出会うタイミングが遅かった、
もっと早く出逢いたかった、
あなたに、幸あらんことを。
あいたい、あいたいよ。
【心だけ、逃避行】
「ねぇ、あたし、海外行く方法、思いついちゃった。」
『え、無理でしょ。あなた、ここから出られないんだから。』
「いや、それができるんだよ。最近みつけた。心だけ旅行。」
『どうやってやんの?』
「めぇつぶんの。そんで、想像すんの。」
『目を、、、はぁ、、、、』
「行けないって思うでしょ?」
「それがさ、結構行けた気になんのよ。とりあえず、こっち来て。」
「じゃ、今日はどこまで向かいましょうか?」
「アフリカとか行ってみる?」
『えー、ヨーロッパとかの方がよくない?』
「んぇえ?ぜったい楽しいのにぃ…」
𓐄 𓐄 𓐄 𓐄 𓐄 𓐄 𓐄 𓐄 𓐄 𓐄 𓐄 𓐄 𓐄 𓐄 𓐄 𓐄 𓐄 𓐄𓐄 𓐄 𓐄 𓐄 𓐄 𓐄 𓐄 𓐄 𓐄 𓐄 𓐄 𓐄 𓐄 𓐄 𓐄 𓐄
…ガコンガコンガコン…
プルルルルプルルルル
「はァっ!、はァっはァっ」
「あ…すいません、すずきですっ。」
《てめぇどこいってんだよ、仕事溜まってんぞ!》
「はい、すぐ戻ります、はい、失礼します。」
…久しぶりに夢を見た。
あの時想像した大人に、私は、多分なれてない。
…めぇつぶったら、行けるかな。
そう思って、私は目をつぶった。
心だけ旅行、目的地は、あなたがいるところ。
“消えてしまいそうな夜に、”
時々自分が潰れてしまう様に感じる日がある。
今日、その日が来てしまって。
何も考えられないけど、ただ漠然と「私は何もうまくできない」という言葉が脳にナイフを突き刺す。
だんだん胸がぎゅっと握られた様に苦しくなって、息をしてるのに息をしてないみたい。
そんな日だからこそ人の温もりを求めてしまう。
他人の優しさに縋りたくなってしまう。
私は、あなたに電話をかける。
あなたの温かい声が、私をここに存在させる。
「もしもし。」
『もしもし?どうした?』
「今家いる?」
『うん。いるよ。』
「いってもいい?」
『いーよ、まってるねー。』
いつもと同じ会話のはずなのに、私は涙を流していた。
私は足早にあなたの元へ向かった。
“憧れ”
画面の向こう、スクリーンの向こう、舞台の向こう、
きっと私が知っている美しい世界の向こうには私がまだ知らない世界があるんだと思う。
そこに小さな期待とたくさんの夢をもつ。
美しい世界を少し覗いたとき、私はその世界が聖域にみえた。
そこにどうすれば近づけるだろう。
どうすればその世界に行けるのだろう。
方法も分からないし、今どう行動するべきかわからない。
しかし、あの聖域に足を踏み入れたいという思いだけが増えていく。
その想いが届く頃には、私はまだ知らない世界にいるのだ。
きっと、
【まだ知らない世界】
“逃避行”
私が起きた時、時計は明日に変わっていた。誕生日だった。気絶してから何分だったのだろう。
母は、私を殴ってから飲みに行ったかな。
あぁ昨日酷かったもんなぁ。受け身とってもこれか。
母の彼氏がいなくてよかった。
毎回あるなんにもない時間。
その時間が増える度、怪我を隠すのは上手くなった。あと受け身をとるのも。
傷が増える度、逃げたいって思いが増えていく。
でも、逃げ方が分からない。ここにいるしかない。
どん。
隣の部屋から壁越しに何かがぶつかる音が聞こえた。
また、へやが静かになる。
いつもより大きな音だった。
私は長袖の服を着て傷をかくし、部屋を出ておとなりさんを確認してみた。部屋を出るのは久しぶりだった。
とりあえずノックして、ドアノブを捻った。
おとこのひとがいた。はじめてみた。
目の前に人がいて、おとこの瞳は何かを怖がってるように見えた。
おとこのひとは入ってきたのに気づいて、びっくりしていた。諦めた顔をしてた。
「死んでるの?」
『うん』
また、静かになる。
『殺した。』
「え?」
『俺、、、殺した、。』
「私も…しぬの、?」
『いや、殺さない。』
『これから、逃げる。だから、
「連れてって。」
『え?』
伸びた前髪の向こうから見える瞳と、目が合う。
「ぜったい、だれにも言わない。」
「逃げたいの、ここから。でも、わかんなくて、」
「だから、一緒に逃げて。」
「もし、何かあったら、ころしても、いいから。」
気づいたら、おとこのひとにそう頼んでいた。
『いいよ、でも、いいの?』
「うん。いい、」
『じゃあ一緒に行こう。』
『なるべく目立たないようにね。』
おとこのひとはパーカーを被って私にキャップをつけた。
誕生日に貰ったのは、
傷ついた身体と
嘘だった。
【すれ違う瞳】