11/5/2025, 3:36:47 AM
どこからともなく香る、鼻をくすぐる香り。
小さなオレンジの花弁は鈴なりに、深い緑の葉に広がる。
木々を飾る可愛らしい花は、さながら道端を彩る黄金の様に、今年も秋を彩る。
「お題 キンモクセイ」#71
11/4/2025, 3:45:24 AM
分かっていたんだ。
どんなに願おうとも、いずれは去ってしまうと。
永遠なんてこの世界に無いと、最初から知っていたのに。
それでも、貴方だけは。
貴方だけは特別だと、何の根拠もなく、信じてしまった。
いずれは私も、貴方の元に行けるのかしら。
「お題 行かないでと、願ったのに」#94
11/2/2025, 11:26:11 PM
広大なホール。
ガラスケースに入れられた、歴史資料達。
ページをめくるように、時間を遡っていく。
現在に至るまでの過程。その生きた記憶を、巡り巡っていくと、ある一角に目が留まる。
影に隠れたケースの中には、青い蝶。
今にも飛び立ちそうな剥製の蝶。
呼吸の止まったその昆虫は、今も夢の中で、花の蜜を吸い続ける。
「お題 秘密の標本」#70
11/2/2025, 4:51:07 AM
布団を被っていても貫通してくる冷気が、目覚めた思考を鈍らせる。
呼吸する度に肺を満たす冷たい空気が、血流を巡って体を固めていく。
起きたくない。
この温かな布団に包まって、春の陽気を夢に見たい。誘惑はとても甘美で、現実はとても冷酷だ。
そんな朝にも、やがては太陽が昇って、空気を温めてくれることだろう。
そうしたら少しは、起きることも苦ではなくなるかもしれない。
「お題 凍える朝」#69
11/1/2025, 3:04:55 AM
2つは隣合う。
2つは反発し合う。
互いに違い、惹かれ合い、やがては1つとなる。
元々そうだった様に。
そしてまた巡り、出会う。
「お題 光と影」#95