『シュレディンガーのチョコ』
都心に佇む中堅レベルの私立高校。
僕の学年には198人の生徒がいて、そのうちの101人が女子だ。
1年生と教職員も含めればざっと220人程はいるだろうか。
生憎3年生は数日前に卒業式を終えてしまった。
現在僕は人生最大の選択を強いられている。
目の前のロッカーを開けるか、否か、だ。
量子力学的に考えてみれば、僕がこのロッカーを開ける前まで、ロッカー内ではチョコが220個入っている状態と、そうでないという二つの状態が同時に存在している。
そして、僕がロッカーの扉を開いたとき、初めてどちらかひとつの状態に収束する。
しかし、これだけでは確率に不安が残る気もする。
が、案ずることはない。
もし仮に、220個のチョコが入っていない状態に収束したとしても、219個、218個、・・・と計220程のチョコレート存在パターンがあるのだ。
また、あるひとつの状態に収束する確率が、全てのパターンにおいて同様に確からしいものとすると、僕のロッカーにチョコが存在しない確率は限りなく低いのである。
更に、僕がロッカーを開いたときにチョコレートが存在する数の期待値を求めると、概算でも100個以上のチョコが手に入ることになる。
頭の中で十分すぎる量のチョコを受けとると、満足した僕はロッカーに手を触れることもないまま帰路に着くのであった。
2/15/2026, 1:56:06 AM