枯葉
(この既視感は、映画のシーンだったか、それとも漫画か。)
木の枝先に、かろうじてしがみつく枯葉を病院のベッドの上で、ぼんやりと眺めながら、石膏で固められた己の左足をなるべく視界に入れないようにする。こうしていれば、今は、麻酔で感覚も失っているため気にもならなかった。通知音がして、ベッドテーブルの上のスマートフォンを確認する為、軽く身を起こす。
「私がスポンサー様に説明しに行って来るから、今日は、安静にしていなさい」
何故か溜息をついた鬼のスタンプ付きの、姉からのメッセージに既読だけを付け、枯葉へと視線を戻した。
(また四年後)
今年が体力的にも最後だと考えていた中での、己の惨状に、今は、何も考えられないでいる。怪我をしたということは、とうにピークは、過ぎていたのだろう。
「死にてぇ」
小風にさえも、今にも飛ばされそうなその枯葉を、手の中にあるスマホの動画機能で撮影しようと、カメラを向けた。
「…は?」
「へ?」
枝に跨った若い青年と画面越しに目が合い、慌てて視線を窓の方へと向けたが、見えるのは、揺れる枝葉だけで。
「誰?」
このファンタジー的状況に、誰かと問いかけるのは、果たして正解なのだろうか。
「僕ですか?えっと…枯葉の妖精かも?」
麻酔の影響で、幻でも見ているのだ、きっと。
(後書き。)
若葉マークな便乗小説、最後まで書くつもりでいるので、お付き合いして下さる方がいたら、長文の日ごめんねm(__)m
2/19/2026, 3:47:48 PM