同情
#枯葉
からの小説の続きです。
「あの、僕が見えているんですよね?」
そう言って、妖精だと名乗るレンズ越しの青年が、澄んだ灰色の目でこちらを伺うように、枝から身を乗り出してきた。木の上に登った猫でも撮影しているかのように画面がいっぱいになり、そういえば拡大にしていた事を思い出して設定を解除する。
見えているというよりは、写り込んでいるに近い。
「…幽霊じゃないんだよな?」
出した声が少し震えた。妖精なら良かったのかと、現実味の無い考えに、頭が痛くなってくる。深く息を吸い、メンタルトレーニングの基礎を思い出しながら、吐いた息で自分を落ち着かせた。
「自分でもよく分からないんですよね、気付いた時には、此処に居て。」
嘘は、無いように思える、ただの直感だが。自分より五つか六つ、若いだろうその青年は、見た目に似つかわしくない、あどけなさを持っていた。
「じゃあ、そこで何してんの?」
「特に何も。寝転んだり、星を見たり。」
猫の妖怪だろうかと、また頭痛のような考えが、脳裏をかすめる。
呼吸法のおかげだろう、落ち着いきて視野が広がってくると、初見で気づかなかった青年の服装が、ようやく目に留まった。自分と同じ、病院指定の緑色の患者衣。
「ねえ、お兄さん」
画面の中の青年が、楽しげに、こちらへと話しかけてくる。
(きっと、漫画だ。)
同じ枯葉でも、今度は、別の既視感で、胸が締め付けられるような感覚に顔が歪みそうになるのを下を向いてやり過ごした。彼の肌は、新雪のように白くて、まるで—。
「何?」
俺は、ひとつ息を吐き、会話の続きでもする調子で、言葉を返した。誰かと動画通話でもしているかのような無邪気な笑顔が、RECの文字と共に、そこに映っている。
(どうせすることもねぇし。)
同情の類で言うと、きっと哀れみだ。ただ、少しの好奇心も混ざっていて。
小風に揺れる枯葉へと、カメラのレンズを向けたまま、青年からの次の言葉を待った。
(後書き。)
続き消化したかったからお題に無理やりねじ込む^^;
小説だったらここまでがプロローグになるの?ダッシュの使い方これでいい?わからん。
二月中に終わればいいな。
2/20/2026, 3:52:35 PM