毛布

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明日への光、でひときわ贅沢なのが夕焼けで、海に行ける場所にいた頃は、週末の天気のいい、風のない穏やかな日には海辺まで行って、夕焼けの数時間をクルマのなかで本読んだりして過ごしてた。
雲があってもなくても、夕焼けの色合いとかそのオレンジからだんだん蒼になってくグラデーションは毎回とてもきれいで、映画作成ではマジックアワー待ちというガチャまでやるらしい。
何回か行くと、この時間の愛好者はけっこういるらしくて、同じようなクルマがやってくる。
イヌを連れてきて散歩したり、車内でカップルがぼけっと夕陽を見てたり、爆睡してたり。昼間からキャンピングカーで来ていて、テーブル出して肉を焼いていたり。あとは楽器を持ち込んでる人もいて、気を使ってクルマの窓を閉め切ってトランペットを練習してたり、ボックス車のバックドアに座ってギターを弾いてる人もいて、個人的にはトタケケ君と呼んでた。

クルマで数十分も走れば行けるあの風景と時間は、これだけでもやたら贅沢で、わざわざ新幹線で温泉旅館に行って、魚料理とか食べるまでもなく十分満足。

12/15/2025, 11:41:17 PM