récit

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「ねぇアビー、僕たちは死んだらお星さまになるのかな?」
茶々丸の声は、夜空に溶け込むように響いた。満天の星空は、まるで宇宙の奥深い秘密を知っているかのようだった。

「そうだね、茶々丸。君はみんなに愛されているから、きっとお星さまになるよ」
アビーは、琥珀色の目を無限の光でいっぱいにさせて答えた。
「僕の場合は、猫天使だから、生死の概念という世界には存在しないんだ。だから、死ぬってことはないんだけどね。それに君だって、まだまだこの世界で猫として愛され続けるんだよ」

「そっか、でもいつかは僕はお星さまになって、そして星座になれるのかな〜」
茶々丸は少し尻尾を振りながら、夢見るような表情を浮かべた。

アビーは空を見上げ
「その時は、僕は星々の間に君の姿を思い描くだろうね」
と柔らかい声で言った。

「でもさ、みんながみんないつかお星さまになったら、夜空はお星さまで渋滞しちゃうね」
茶々丸は不安げにつぶやいた。

「大丈夫だよ。みんながお星さまになれるわけじゃないんだ。善くないことをすると、魂はバラバラになってしまってお星さまにはなれないんだ。そして、愛された者だけが星座になるんだよ」
アビーの言葉は温かく茶々丸の心に届いた。
「愛する者を想って、心の目で夜空に星座を描くのさ」

「ふーん、星座って愛で出来てるんだね」
茶々丸はしばらく考え込み、そして声に出さずニャッと鳴いた。

その笑顔は、きっといつか夜空の星になるだろう。愛されるってキラキラってことだよ。

「星になる」

12/15/2025, 4:51:40 AM