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心の片隅で


 心の片隅にはたくさんのものが転がっている。ちぎれてくずころになった何かが積もって、その奥で虫けらが冬を越そうとしている。
 この想いもあの想いも、そういうものだったのです。
 やってしまえとソレは言いました。十歳か十四歳でした。私はそれすらよくわかっていないのに、ソレが何かを理解していました。
 心の片隅で、ソレはひたすらにくずころを食べて育っていたのです。無視できないほど、大きく、大きく。
 そして私の手を引いたのです。
 やってしまおうと思いました。
 どうせあなたには何もないのです。あなたの心の片隅にはソレの居場所はないのです。片隅には何も残らないのです。
 それでもソレはバカなので、あなたを信じていた。
 私は信じれなかった。それこそが自分をも身くびる行為だと知らなかった。

 ねぇ、ちょっとお話いいですか?

12/18/2025, 2:15:38 PM