思春期真っ只中

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「太陽のような」ギリシャ神話をモチーフに

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街の誰もが、カイルのことを「太陽のような人」だと言った。

彼は類まれなる美貌を持ち、彼が爪弾く竪琴の音色は、荒んだ者の心にさえ光を灯した。
そして何より、彼は慈悲深かった。病に苦しむ者に薬草を与え、迷える者に予言めいた助言を授ける。
カイルが通りを歩くだけで、そこには陽だまりのような活気が生まれた。

しかし、その光が強ければ強いほど、影もまた濃く、深い。

ある日、カイルが最も寵愛していた弟子の青年が、一人の女性と恋に落ちた。青年はカイルへの心酔を忘れ、彼女との時間に没頭するようになった。

ある晩、カイルは青年のもとを訪れた。その顔には、いつもの穏やかな微笑みが湛えられていた。

「君の選んだ道は、本当に正しいのかな?」

カイルは優しく問いかけた。青年が愛の尊さを必死に説くと、カイルは「そうか」と一言だけ頷き、その場を去った。

翌朝、街の人々は悲鳴とともに目を覚ました。
青年の恋人は、自らの家で冷たくなっていた。目立った外傷はない。ただ、彼女の心臓だけが、恐ろしいほどの高熱で焼き焦げたように止まっていたという。

絶望に打ちひしがれた青年が、救いを求めてカイルの神殿に駆け込んだ。

カイルは、まばゆいばかりの黄金の装束に身を包み、高台で竪琴を奏でていた。青年が涙ながらに恋人の死を告げると、カイルは一度も演奏の手を止めることなく、微笑みながら、透き通るような声でこう言った。

「私の光だけを見ていれば、焼かれずに済んだものを」

その瞳には、悲しみも怒りもなかった。ただ、自らの絶対的な正義を信じて疑わない、無機質な輝きがあるだけだった。

カイルは立ち上がり、絶望する青年の肩に手を置いた。その手のひらは、火傷しそうなほどに熱かった。

「さあ、泣くのはおよし。明日もまた、私が世界を照らしてあげるからね」

彼は再び、街の人々の前に現れた。

愛する者を奪い、一人の人生を焼き尽くした直後だというのに、その微笑みはあまりに清らかで、神々しかった。街の人々は、彼の背後に後光を見た。彼がもたらすぬくもりに、誰もが盲目的に跪いた。

その徹底した純粋さと、目を焼くほどの傲慢な輝き。

まさに、太陽のようだった。

2/22/2026, 1:30:51 PM