『来ることのない待ち人』
まず最初に感じたのは、"熱い"だった。
その後すぐに痛みが来た。尋常じゃない痛みに、地面に膝をつく。必死に呼吸をするが、痛みは増すばかりだった。
すぐ近くでカチリという音がした。見ずともわかる。銃の弾をセットしたのだろう。
「終わりだ」
仲間の呼ぶ声がする。回らない頭でも死が近いていることがわかった。しかし、そんな時でも思い出すのは彼女の顔だった。
あぁ…そういえば今日は約束をしていた日だったな。怒るだろうなぁ……。
涙が1粒地面に落ちた。
「約束、守れなくて、ごめん……」
ーー
鳥が大きい音を立てて羽ばたいた。びっくりして窓に目を向ける。
羽ばたいていく鳥の後ろ姿と、ひらひらと落ちる枯葉が目に映った。その葉が最後の1枚だったのだろう、外にある大きな木は寂しい姿へとなっていた。
それらから目線を外し、携帯を手に取る。1時間も前に送ったメールには、返信どころか既読すらついていなかった。
小さくため息をつく。
「遅いなぁ…どうしたんだろ……」
変にざわつく胸を誤魔化すように、カップの中のコーヒーを飲んだ。
【枯葉】
2/19/2026, 4:32:16 PM