パラレルワールド。
銀河の数ほどある
パラレルワールドを
1つにまとめて管理してるのがここ。
「ドリームゲート」。
私はドリームゲートの番人で
主にパラレルワールドを管理している。
たまに時間も管理するけど、
時を結ぶリボンは
解けやすくて
千切れやすくて
細かったり太かったりするし、
パラレルワールドが多すぎて
時間までは管理し切れないから
あらゆるパラレルワールドに
時間管理局がある。
でもパラレルワールドを管理するのは
ここだけ。
パラレルワールドを結ぶのは
透明なガラスパイプで、
先代から受け継いで1200年ほど
私はずっとこの景色を見ていた。
毎日数通だけ
パイプから手紙が来る。
それは特別な案内をされた
特別な方だけが送れる手紙。
どの世界に行きたいのかや、
案内人の名前を書いた手紙を送ることで、
私はその方がいる世界とは
違う並行世界へ
ゲートをくぐって
限られた時間のみ移動を許可する。
同伴者は案内人、もしくは私自身。
もしこの選択をしていたら…という
ほぼ隣の世界へ行く人もいれば、
もしこの人と出会わなかったら…という
少し離れた世界へ行く人もいる。
限られた時間しか居られないし、
並行世界で
その方がいる世界とは
違う世界なので
世界は影響を受けない。
おまけにその並行世界側は
起きた出来事を夢だと認識する。
だからドリームゲート。
私はなんだかんだ
番人という役割にやりがいを感じている。
"Good Midnight!"
1200年ほど前までは
私にも私の世界があったけれど、
今はもう人ならざるもの。
その世界がどんな世界だったか
誰とどんな関わりがあったか
もうとうの昔に忘れてしまった。
12/20/2025, 3:19:56 PM