『凍てつく鏡』
真っ白な雪景色。
その中心には
大きな一つの大木がぽつんと突っ立っている。
その大木は何十年...いや何百年も前からずっと1人。
けどね、
そんな大木も一年で経った1日だけ。
とびきり綺麗に輝いて飾られるんだ。
その日をクリスマスって言うらしい。
その日だけは
この寒い冬の中でも心が温かくなる。
この大木の嬉しそうな顔を映しているのは、
この私。
捨てられた鏡。
ガラスは割られて
大木の顔が何重にも映っているけど
年に一回だけでも
この顔が沢山映るなら、
私はそれで良い。
凍てつくぐらい寒いし
私の視界も真っ白になるけど、
経った一瞬だけでも見られるなら
私の心は温かくなるんだ。
12/27/2025, 10:51:30 AM