白樺

Open App
12/27/2025, 10:51:30 AM

『凍てつく鏡』

真っ白な雪景色。
その中心には
大きな一つの大木がぽつんと突っ立っている。
その大木は何十年...いや何百年も前からずっと1人。

けどね、
そんな大木も一年で経った1日だけ。
とびきり綺麗に輝いて飾られるんだ。

その日をクリスマスって言うらしい。

その日だけは
この寒い冬の中でも心が温かくなる。
この大木の嬉しそうな顔を映しているのは、
この私。
捨てられた鏡。
ガラスは割られて
大木の顔が何重にも映っているけど
年に一回だけでも
この顔が沢山映るなら、
私はそれで良い。
凍てつくぐらい寒いし
私の視界も真っ白になるけど、
経った一瞬だけでも見られるなら
私の心は温かくなるんだ。

11/22/2025, 11:43:39 AM

『紅の記憶』

紅色の空。
悠々と飛んでる鴉。
5時のチャイムが鳴り響き...
経ったの数十分で真っ暗に。
儚く短い黄昏時。
この黄昏の中で、
私は一帯何を感じているのだろうか?
この紅に心を奪われて...
いつしか紅の空を待ち望む。
けれども、時は流れて
いつしか空を見る事も
無くなってしまうのだろうか。

逃せばまた明日にならないと見れない空
毎日見れると言う安心から
ぽつりぽつりと頭から抜け落ちていく。
この人生の間であと何回
綺麗な紅の空が見られるのだろうか。
次見る時
私はどんな事を思って
紅の空を見上げるのかなぁ...

10/11/2025, 1:52:48 PM

『未知の交差点』

同じ道に進まなくても
一緒の頂目指さなくても
オレたちは
長い間一緒にいた
お前と敵になっても
或いは
再び手を取り合う時が来たとしても
今はお別れだ。
またな
いつかまた会う時まで...

10/4/2025, 7:54:01 AM

(誰か)

ひんやり冷たい風が吹いている。
さんさんの太陽も身を潜め段々と秋が近づいているのを感じる。
年々短く感じる秋。

鳴り響くツクツクボウシの鳴き声
電線に止まってる鳥。
いつも見ている景色。

人の存在は薄くなっている。
人の価値など考える世の中。
人間に価値とか要らないでしょ、
そう思うが最近気にする。
snsを見ても比べるだけだと分かってるのに見たくなる
年下の活躍とか見るとイライラする。
こんな気持ちになるのに....
分かっているんだ。
辛い事ぐらい...
けどやめられない。
誰か...助けてくれる...いや頼りになる人が居たなら...

私の頬に冷たい風が当たった。

5/18/2025, 1:33:12 PM

『まって』
紅き魂が地に帰る
尊き魂は天へ。
死神である俺はこの光景を
何度も何度も見て来た。
俺が魂を奪い
人間を抹消していくから、
地に堕ちた人間は愚かな者だ。
自ら望み力を貸してやったのに
見返りが無いと思ってやがる。
俺は死神だぞ。
人間よりもずっと権力がある。
堕ちていった人間は、
意味深な言葉を吐く。
“まって”っと。

Next