疲れた、全て疲れた。人の顔色を伺うのも、自分の意思ではない嘘の言葉を吐き続けるのも。
灰色の景色に砂漠のような道を歩き続ける毎日が嫌になった。
もっと自由で、もっと色鮮やかな世界が見たい。
何もかも、ゼロにしようと思った。
誰も私を必要としていない、私が何処に行ったって、噂も七十五日を待たずして記憶から消えて行くだろう。
みんなだってそう。貴方は半年前の事件を覚えてますか?と問いかければ、そんな事もあったね。と思い出しては、問いかけられない限り消えてゆくのだ。
職場の机に辞表を入れて、携帯を解約した。
キャリーバッグに荷物を入れて、電車に乗った。私が望む心の中の風景が見つかる場所まで行こう。
鈍行列車から見える街並みは、大きなビルの建物が連なる景色から徐々に田畑に囲まれた集落の景色へ変わってゆく。
人の住む気配のない山々のトンネルを潜り、一面海原の景色が広がる駅で降り立つ。
何もない、だけど私の知らない何かがある。
色鮮やかに輝く空の色に、心が満たされたように涙が頬を伝った。
/心の中の風景
8/30/2025, 12:48:59 AM