「雪明かりの夜」 雪の降る寒い夜道。少し前を歩くあなたは私を振り返って、唐突に別れを告げた。どれだけ理由を聞いてもはぐらかされ、あなたは先へと歩いて消えてしまった。 月の光を受けた雪たちがぼんやりと光る雪明かりの道。動けずに立ちすくむ私を、笑うように冷たい風が横を駆け抜けていく。いつもならはしゃぐようなきれいな光景だけど、今はただ暗闇に飲み込まれていたかった。しかし、見上げた夜空には雲ひとつなく月が光り、視界が滲んでいくだけだった。
12/26/2025, 1:47:54 PM