貴方はずっと、私の言う通りにしていればいいのよ。
そう、母に育てられた。きっと、母にとって私は自分の成し得なかった夢を叶える為の人形だったのだろう。だから私は母の言う通りにしてあげた。毎日の運動や食事制限。ましてや関わる友達さえも母はせいげんした。私は可哀想だったのだ。“自分の夢を自分で叶えられない母“が、哀れで仕方がなかった。
あれから時はたち、今日は高校の卒業式。母は、泣いていた。そんな母の胸に私は思いっきり刃物を突きつけた。
グサッ。というおとを立てると思っていたが案外静かに刃は、母の肺を貫いた。グルグルと音を立てながら何かを必死に伝えとうとする母。私はそんな母の横に行き、そっと囁いた。
これで、夢が叶うね。か弱いお母さん。
12/16/2025, 2:37:44 PM