何も知らない男の子がいました。
その子は或る人に聞かれました。
「なぜ人は泣くのだろう。」
男の子は分かりませんでした。男の子は知りたいと思いました。それが男の子にとって、初めての「思い」
でした。
男の子はまず、道端で泣いていた女の子に聞きました。
「どうしてきみはないているの?」
「大切なひとがなくなって、とっても悲しいからよ。」
次に男の子は、町にいき、真っ白な服を着て泣いている女のひとに聞きました。
「どうしてきみはないているの?」
「今がとっても幸せだからよ。」
町をでた男の子は、うずくまって泣いている男の子に聞きました。
「どうしてきみはないているの?」
「勝負で負けて、とってもとっても悔しいからだ。」
男の子は或る人のところにもどり、ひとが泣くわけを教えてあげました。
「ひとがなくのはね、とっても悲しくて、とっても幸せで、とっても悔しいからなんだ」
或る人はそれを聞いてにっこり笑い、泣きました。
「どうしてきみはないているの?」
「何も知らなかった君が、知ろうとしてくれていることに安心して、涙が出てくるんだ。」
それを聞いて、男の子はなぜか泣いてしまいました。
或る人は聞きました。
「どうして君は泣いているの?」
「なんだかとってもあついものが込み上げてきたから。これは悲しみ?幸せ?悔しさ?安心?」
「それは君が、これから色々なところに行って、たくさん感じて、いつか答えにおいで。」
8/19/2025, 4:10:30 PM