ぽつり、ぽつりと零れていく言の葉を一つ一つ丁寧に拾い上げた。そのどれもが形にならないままで、触れれば崩れてしまいそうで。
けれど、確かにそこにある重さを、掌でそっと受け止める。
言の葉たちは、痛みや迷いの影を帯びていて、どれも簡単に解けるものじゃなかった。
それでも、零れ落ちるままにしておくなんて出来なくて、大切な言葉の欠片を一つずつ拾い上げては、包み込むようにあたためていく。
“大丈夫、大丈夫、大丈夫だよ”
心が追いつかない夜も、気持ちが絡まってほどけない瞬間もたくさんあるに違いない。
だけど、そんな今が全て辛い過去になるのではなく、温かい過去になるように、
今はただ、ただ君の傍に寄り添っていたいと願った。
12/26/2025, 9:51:06 AM