YOU

Open App

同情

「しなくていいよ、同情なんて」
仕事でミスし、上司に怒られたキミは、屋上で泣いていた。
「自分の力を過信しすぎた私がバカだったんだよ。私ならできる。って。実力もないくせに」
両手で顔を覆い、わめくキミの言葉を僕は黙って聞いている。
「もう、仕事したくない。私なんかができる仕事なんて、ありっこない」
怒られたことが堪えたのか、自信をなくしたキミ。そんなキミに
「失敗なら誰にでもある。その失敗を糧に、次は頑張ろう」
自分なりの慰める言葉を伝えるけど
「ムリだよ。私になんて…」
やっぱり、落ちた気持ちはすぐには浮上しない。
「ムリじゃないよ。キミならできる」
それでも、僕の気持ちが伝わるように、言葉を重ねる。
「でも、」
「今回はさ、キミが1人で頑張ってしまったからだよ」
「え?」
「頑張るキミを見ててさ、1人で頑張らずに、周りに頼ってもいいのに。って思ってたんだ。大変そうだし、疲れてそうだったから」
「…」
「それをわかってて何も言わなかったのは、キミの、1人でやり遂げるぞ。って気持ちが伝わったから。だからさ、1人でできるなら頑張って、ムリそうなら周りを頼ってよ。ね」
そっとキミの髪を撫でると
「ありがとう」
さっきまでとは違い、キミは小さく呟く。
立ち直ってくれるといいな。と思いながら、キミが落ち着くまで、そばにいたのだった。

2/21/2026, 9:13:45 AM