珍しい雪の夜。つい先ほどまで、しんしんと降っていた雪は止んで、静けさに包まれている。道は、街頭の灯りが雪に反射して、いつもより明るく見える。人がたくさん踏み締めた後を、そろりそろりと歩く。
細い路地に入る。あんまり人が通らない道は、より白い。街路樹も、こんもり雪を載せている。誰も歩いてないふかふかの雪に、てんてんと足跡が残る。時々、ふさっと雪が落ちてくる。電線からだろうか。肩に落ちた雪を払いながら、立ち止まる。
銀色に輝く道。小さな足跡を見つけた。猫? お散歩の犬? しんと静まり返るなか、人も生き物もひたすら足跡をつけて歩く。
「雪明かりの夜」
12/27/2025, 8:35:37 AM