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「バレンタイン」


初めてバレンタインに、大好きな人にチョコレートを渡した。
貴方を探して、放課後の学校中を走り回った。
貴方には「渡したい物があるから放課後残ってて」って伝えてあるから、帰ってしまう事はないとは思うけど、それも不安で。

そして、やっと貴方の背中を見つけた。
普段は普通に喋ってるのに、急に何を喋ればいいのかもわかんなくなるし、何か心拍数急上昇だし。
もう、心臓が口から飛び出るかと思う位ドキドキしてる。

たった一言言えばいいだけなのに。
「好きなの」その一言が、喉に張り付いて出て来ない。
沈黙が流れて、でも言葉は出なくて。
何か気がついたら、貴方の腕をぐっと掴んでた。

私のバカ‼何か私ヤバい奴みたいじゃん?
でも貴方は怒らずに、私に微笑んでくれた。
そこから先の事は正直あんま覚えてない。
ただ、貴方にちゃんと気持ちを伝えて、付き合える事になったのは覚えてる。

よくある青春の1ページって奴で、きっと世界中にありふれてる物語だと思う。
でも、私にとってはかけがえのない想い出で、大切な恋心だった。
あれから何年もが過ぎたけど。
あの頃のピュアでただ真っ直ぐに貴方を好きだと言えた私は、残念ながらもう居ないけど。

でも、あの時の想いはきっと一生私の心の隅っこに在り続けるだろう。
余計なしがらみとか、計算とか、そんな事は何もなく。
ただ「好き」と言うその気持ちだけで動けたあの頃の私には戻れないし、戻る気もないけど。
でも、失くしたくない、大切な心の一部。

2/14/2026, 11:02:43 AM