-ゆずぽんず-

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🌿‬みなさん、こんばんは🌿‬


身を抱き、白い息に手を揉み込む布団の恋しい季節。そして、風邪やインフルエンザの恐怖に怯えながら過ごす日々。

冷え込んだ空気に身を震わせながら開いたカーテンの先に、白い雪に重く項垂れる草や木の葉。年の暮れに、複雑な思いを抱くものの、少し長い休みに胸が踊る。

ーーそんな、冬。そんな季節に詠んだ冬の詩を皆さんにお届けいたします。どうぞ🍊


『白装の息』

風に踊る白綿
あてなく旅して
街は布団を被り
どこまでも柔らかく
彩っている
白だけの空が
夜の名残を消し
音は吸われ
踏み出す靴底が
きしりと遅れて鳴る
頬に触れた冷えが
まだ眠る体温を
静かに起こす


白綿は高みでほどけ
光を含んで
影を失う
街は息を取り戻し
鉄の輪が
舗道を噛み
乾いた響きを
腹の奥へ落とす
袖に降りた結晶が
熱を思い出し
形を解き
濡れた円だけを
残して眠る
遠く
子の声が跳ね
それを包むように
誰かの息が
白く揺れる


光は重さを持ち
白は鈍く沈み
街は再び
布団を引き寄せる
北からの手が
耳を抓り
両の掌で
世界を塞ぐ
音は低く
足音は短く
歩幅が
知らぬ間に
家路へ曲がる
白綿は
まだ降りている
誰にも触れず
夜の底へ
静かに降り積もる


12/26/2025, 12:30:43 PM