今日午前9:30を過ぎた頃
突然、玄関からピンポンと音がする
土曜日の?
午前中に?
訪問者の予定?
あるはずがない
恐る恐るドアスコープを覗くと
(インターフォンカメラ付きではないので)
見知らぬおじいちゃん
大きなリュックを背負った
半ば疲れた顔したおじいちゃん
悪いが用心のため
すぐにドアを開けずに「はーい」と返答したが
すかさずまたピンポン
もう一度「はーい」とさっきより大きな声で返答するも
すかさずピンポン
これでは埒が明かないと判断して
仕方なくドアを開ける
はぁはぁ……と疲れた息を漏らして
おじいちゃん
「自転車が壊れてしもうて直して欲しいん」
ああ、ああ、それは無理だよ
おじいちゃん
下の階の自転車屋さんのビルに住んでるだけで
私、自転車屋さんじゃないのよ
「私はお店の関係者じゃなくてですねぇ。10時開店なので、それまでお待ちいただくしかないかと……」
申し訳ないがそう答えるしかない
「ふはぁぁぁー」
ものすごく深いため息が聞こえる
あと30分弱で開店時間なんだけど
おじいちゃんには
30分はとてつもなく長く感じたろうな
そう思うとやるせなかったが仕方ない
自転車直してもらえてるといいね
そして、これからも安全運転でよろしくね
最後に一つだけ
返答なしの連続ピンポンはとても怖かったよ
#57「やるせない気持ち」
8/24/2024, 1:56:33 PM