全身全霊
穴ぐらで叫ぶ
真っ逆さまで放り込まれた
道なき道もない
崖っぷちのどん底は
レビュワーのいない
ただ地獄
全身全霊
ただ生きる
身体という器を借りて
掴めるものは掴み取る
足の踏み場に安心するな
感覚だけで這い上がる
穴ぐらから見える景色に
慣れ親しむな
光が無くとも
心を灯せ
スタートの地面にも
まだ立っていない
旅路はあとからついてくる
#107「心の旅路」
私に何を写して欲しかった?
すぐに涙を流しては
可哀想を押し付けて
何も出来ないフリで
優しくされたかった?
希望を跳ね返したのは
あなた
鏡は燃えないゴミに捨てる
#106「凍てつく鏡」
深夜のコンビニに行く歌
口ずさんで
仕方なく外に出た
タバコが切れた
めんどくさいけど無いと困る
国道に走る車も少ない
白い息
「雪はほとんど積もらない」
なんて嘘じゃん
350mlの缶ビールは買わないし
コンビニの店員は親切だ
タバコの銘柄を言う前に
1箱手にしてくれたから
「あ、今日は2箱で」
いつもの「ありがとうございます」に
「足元に気を付けて」が続いて
軽く会釈
350mlの缶ビールの代わりに
アイスコーヒーを買った
微糖
袋に入れず
ポケットにタバコ2箱
空からは塵のような雪
薄く積もるアスファルトの路面
「雪はほとんど積もらない」
なんて嘘じゃん
少しだけスキップ
深夜のコンビニの帰り道
「クロノスタシス」は知ってる
#105「雪明かりの夜」
7つのお願い
私が私でいられますように
あなたがあなたのままで
私とあなたが愛する世界がありますように
あなたと私が巡り会って
私とあなたが愛し合えますように
あなたのメロディーを拾い
私が言葉を紡ぎ
誰かの元に届きますように
ふれあいたいわ
あなたの心に
もっと近くにいられたら
ふれられたいわ
裸の心に
きっと音楽が流れだす
#104「祈りを捧げて」
こたつがあればいいのにな
寒さにこらえきれず
エアコン常時起動
「異常気象のせいだよ」って
もう何年目?
こたつがあればいいのにな
こたつがあればいいのにな
こたつがあればいいのになって
うたた寝のまま
そのままで
チャイムが聞こえる
下校時間
「起床時間があいまいね」って
そんなのほっといて
こたつがあればいいのにな
こたつがあればいいのにな
こたつがあればいいのになって
うたた寝のまま
そのままで
スーパーで見かける
みかん箱
見るたび
よぎるノスタルジー
みんなで見てたテレビ時間
こたつがあればいいのにな
こたつがあればいいのにな
こたつがあればいいのになって
うたた寝のまま
そのままで
#103「遠い日のぬくもり」