同情
千羽鶴が一羽、また一羽と飛び立っていく。次は何色の鶴が飛んでいくのだろうかと、そんなことを考えるのが、唯一の、日々の楽しみになっていた。
病室は白く、広い個室だった。
なんのためにあるのかわからないような、謎の軌道を描くカーテンレールを、目で、追った。
窓から見える、雑居ビルを眺めた。鶴と一瞬、目が合った。
リノリウムの床と、スリッパのツルツルしたようなザラザラしたような、なんともいえない感触は、いまだに慣れないけれど、高校の廊下よりかは、いくらかマシに感じる。
今はちょうど四時間目。時間だけが過ぎていく。来客用の椅子に座ってみたけど、いつもと違う景色が見えるかと思ったけど、変わらない。だめだね。薬のせいで、頭が働いてないや。
誰かが手紙をくれたから。先生が、千羽鶴を持ってきたから、千羽鶴が一枚、また一枚と崩れ落ちていく。明日の起きた時に、何色の鶴が床に落ちているのだろうかと、そんなことを考えるのが、唯一の、日々の楽しみに、なっていた。
首に巻いた縄の跡は消えたけど、学校には、まだ行きたくないから。
千羽鶴が一羽、また一羽と飛び立っていく。次は何色の鶴が飛んでいくのだろうかと、そんなことを考えるのが、唯一の、日々の楽しみになっていた。
眠くなってきたな。
2/20/2026, 1:13:52 PM