「雪の静寂」
一歩外に出ると、一面真っ白な雪に包まれていた。まだ足跡ひとつない白い地面。去年の私は、年甲斐もなくまだ眠そうなあなたを呼んではしゃいでいた。雪にはしゃぐ私と、そんな私に半ば呆れつつ、でも温かく笑うあなたがここにいた。あの時は雪の日が静かだなんて思ったこともなかった。
でも、今年の雪の日はとても静かだ。1人だと、はしゃぐ気にもなれなかった。
何もかもが冷たくて、静寂がむしろうるさく感じる。
そっと頬を伝う涙だけがやけに温かかった。
12/17/2025, 1:39:56 PM