『Love you』
朝起きた時、私に光が当たらないくらいの控えめさで、カーテンが引かれていました。
掛け布団が肩の上まで掛けられていたから、蹴飛ばした寒さで目覚めることも無くなりました。
階下から小さな鼻歌と、ジュージューと何かが焼ける音が聞こえてきます。
この香ばしい匂いは、昨日一緒に買ったバジルが入ったソーセージでしょうか。
値引きのシールを見て……いえ、見ずとも、ソーセージが好物だからカゴの中に入れたのでしょう。
なんて事ない顔をしてひょいとソーセージをカゴに入れた手つきがいつもより少しだけ丁寧で、呆れたと同時に笑ってしまいました。
ベッドから下りれば、綺麗に並べられたスリッパ。
トントンと階段を降りたそこは、眩いばかりの光に包まれた穏やかな日常でした。
窓枠の両端まで引かれたカーテン、テーブルにラップを被せたまま置いてある食事。
それらにニコリと微笑んだ後、キッチンで神妙な顔をしてソーセージと目玉焼きを焼いている後ろ姿にそっと忍び寄ります。
「……おはよ」
驚いたように振り向き、私の姿を認めて破顔する貴方。
「おはよう。もう出来るよ、ヤカン沸いてるからお湯使って」
「うんありがとう、コーヒー?」
「コーヒー」
2/24/2026, 12:56:56 AM