10年後の私から届いた手紙
拝啓、10年前のわたしへ。
お久しぶりです。というのも変ですが。
2026年2月15日、あなたは今何をしていますか。
どんな悩みを抱えて、何を楽しみにしていますか。
といっても自分の事なので聞かなくてもわかる事なのですが。
あなたは今、ちょうど10年前に─
2016年くらいかな、に戻りたいと思っていると思います。
それか4年前かな。
だってそうすれば全て元通りにできるかもしれないから。苦しみの元をすべて絶てるかもしれないから。
引っ越さなくて良くなって、
転校もしなくて良くなって、
いじめられることもなくなって、
兄に首を絞められることもなくなって、
父さんが死ぬこともなくて、
母親が彼氏を作ることもなくなって、
その彼氏に癇癪を起こされて怒鳴られることもなくて、母親が人間じゃなくなることもなくなって。
他にもいろいろあるけれど、そういうものを全部、無かったことにして、そういうものが起こらない世界で生きれるかもしれないから。
苦しくて、苦しくて、苦しくて。
辛くて、辛くて、辛くて。
悲しくて、悲しくて、悲しくて。
悔しくて、悔しくて、悔しくて。
死にたくて、死にたくて、死にたくて仕方ない。
でも怖くて死ねないから、
生きたくて、生きたくて、生きたくて仕方ない。
だけどかわいくも面白くもなくて、
なんの取り柄もなくて、人から愛されなくて、
なんで生きてるのかわからなくて。
楽しくもなんにもなくて。
ただただ死ねないから生きているだけで。
誰かの足枷にしかなれない、迷惑にしかなれないいらないものだから、死ねなくてもどうにか死んだ方がいいのかもしれないと思っているでしょう。
でも、10年後のあなた─わたしは今、楽しいです。
人と喋るのが楽しい。
働くのが楽しい。
本を読むのが楽しい。
映画を観るのが楽しい。
バドミントンをするのが楽しい。
絵を描くのが楽しい。
色んなことが楽しくて仕方なくて、生きるのが楽しくて、生きたくて仕方がないです。
あなたが生きるという選択をしてくれたから。
どんなに苦しくても、どんなに悲しくても、辛くても、もうだめだと思っても、刃物を身体に突きつけそうになってしまっても、何も楽しくなくても。
それでもあなたが生きてくれたから。
最低でもあと5年、耐えないといけないでしょう。
寮付きの高校は高くて入れないし、一人暮らしなんてもってのほかだし、高校を出るまで家から逃げられないから。
多分、人生で1番長い5年間だと思います。
それでも耐えてください。生きてください。死なないでください。
その先はきっと、あなたが楽しいと思える未来だから。
耐えられなくなったら、もうだめだと思ったら、この手紙を読み返して、どうにか耐えてください。
わたしはあなたを必要としているから。
あなたには生きている価値があるから。
生きてください。
10年後のあなたより。
2/15/2026, 2:07:25 PM