圭昭

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枯葉

私の好きな人はよく紅葉を見に行く人でした。秋になれば私を毎週末誘って色んな場所の紅葉を見に行きました。しかし、私は枯葉なんかに一向に興味が湧きませんでした。青々と茂っている時には見向きもしないのに、枯れ落ちるときに人々はこぞって美しいと、もてはやす。その様子が私は嫌いでした。それでもあの人に付いて紅葉を見に行ったのはあの人を見るためでした。紅葉に目を奪われるあの人を私は目に焼き付けていました。あの人は私と同じくらいの背丈で横を見るとあの人の横顔をしっかりと見ることができました。けれど、紅葉は上にあるためあの人を見ていると不思議な顔をして私を見返されるのです。その顔が今でも忘れられません。あの人はよく、紅葉のような生き方をしたいと口にしていました。その真意は未だわかりません。しかし、美しく生きるのか色を変えながら生きるという意味だと今は考えています。ある日、あの人は私のもとを去りました。遠く離れた場所へいってしまいました。私はいつまでもあの人の隣であの人の人生が紅葉していくのを見ていたかったです。
再び会ったときにはあの人は紅葉のように紅くなり、枯葉のように冷たくなっていました。

2/19/2026, 12:10:07 PM