「誰よりも、誰よりも美しいものを見つけたんだ、見た目だけじゃない、生き様も泥臭いことを嫌がらない精神性も、すごく美しい。もちろんつぶらな瞳もかわいらしいと思っているよ。ああ、なんて美しいんだろう、水も滴る……まあ滴ってはないけど。なんだっていいさ、比べるのもおこがましいんだから」
佐藤が水槽のメダカに夢中になってから半年が経った。最初の頃はクラスメイトも気味悪がったり茶化したりしていたが、今はもはや誰も関わらない。
佐藤が繰り返す「誰よりも」という言葉は魚基準なのか人基準なのか、泥臭いとは比喩ではなくそのままの意味なのか、疑問は尽きないが、幸せそうで何よりだ。
お題 ―「誰よりも」
2/16/2026, 10:55:42 AM