るに

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小包が届いた。
中身は
小さな小さな
手のひらの贈り物。
ユニコーンの角が
少し欠けていて、
でも足はしっかりとしていて、
斜めになったりはしない。
出窓に飾っておいたら
次の日また小包が届いた。
中身は
小さな小さな
手のひらの贈り物。
ロバの耳が
少し欠けていて、
でも足はしっかりとしていて、
斜めになったりはしない。
出窓でユニコーンの後ろに飾っておいたら
また次の日小包が届いた。
中身は
小さな小さな
手のひらの贈り物。
ペガサスの羽根が
少し欠けていて、
でも足はしっかりとしていて、
斜めになったりはしない。
出窓でユニコーンとロバの後ろに飾っていた。
深夜1時半。
月の光が出窓を照らす中、
ユニコーンが先頭でロバ、ペガサス、と
3匹は外へ飛び出した。
空へ向かって駆けていくその足元は
七色に輝いていて、
足取りは音楽に乗るかのように
軽やかだった。
"Good Midnight!"
3匹が届けたのは
自分たちではなく
ささやかな、
小さな小さな幸せだったのだと
3匹は口を揃えて言いました。

12/19/2025, 4:24:31 PM