『雪の静寂』
真っ白い音が辺りに響く。
もしも、雪の静寂を色にするならば、それは白色だろう。
私は、そう感じた。
それは、まるで牛乳の一雫であるミルククラウンのように。
それは、まるで滑らかに続くピアノの鍵盤のように。
それは、まるでふかふかの天使の羽のように。
それは、まるで悪意を知らない純粋無垢な子供の笑顔のように。
それは、まるで……物言わぬ骨になった、あなたのように。
痛いくらいの心の悲痛な叫び声が、真っ白い絶叫が、耳が痛くなるほどに……雪の静寂が辺りを支配していた。
生きていてほしいと、思った。
生きてはいないだろうと、わかってはいた。
笑うあなたを見つけたいと、思った。
笑うことができないあなたを見つけたくはないと、感じた。
知りたい気持ちと、知りたくない気持ちがあった。
「結局、私は本当にあなたの子だったのですか。おかあさん」
答えはかえってこないまま、真実と共に雪の静寂に消えた。
おわり
12/17/2025, 7:03:50 PM