王宮の使者としてやってきたのは…かつて巫女隠しの村での後処理を預かってくれた青年だった。宿屋でミレーヌはパタパタと彼を迎える。
「あ、えーと。あのときはどうも。えーと…」
「ゼアル、だ」
「ゼアル…さん」
2人に気まずい沈黙が流れる。おかしい。そんなに物覚えが悪い訳でもないのに、彼の存在感のなさ…いや、もやっとした感じはなんなんだろう。(私ったら若いのに…)ミレーヌは1人で反省会をする。
「ほかの人は?」
「みんな出払ってます」
背の高い彼は近くまでは来ない。宿屋の部屋の入り口からは足を踏み入れないのだ。少しほっとした。
(青い髪…珍しい)
と、思ったけど。彼は他のことを考えているようだった。
2/16/2026, 9:15:31 AM