祈ることで救われるのだという。繰り返し言い聞かせられる言葉から逃げるように、家を飛び出した。当てはない。無力な子供が一人で生きていけるとも思わない。雪のちらつく外は寒々として、じりじりと体温を奪っていく。帰らなければ。冷えた頭で考える。帰りたくはない。熱の燻る心が叫ぶ。祈ることで救われるなど、ただの幻想だ。祈っても帰らない人を待ちながら、胸の痛みに顔を顰めた。
12/26/2025, 10:07:23 AM