やっちまった…
やっちまったんだ!
何も上手くいかねぇな!嫌んなったわもう!
…はあ、落ち着け、落ち着くんだ。
1,2、3、ふう。
少しは落ち着いた。でも、どうしようか。
どうにかして証拠消さねえと。
血まみれの死体が、目の前で倒れている。
今、俺が殺した。カッとなってしまった。
なんだよ自慢話ばっかしやがって、
何が、高級車だ。何が、高級バックだ。
人を見下すことしか脳にないゴミめ。
安月給の俺を見下すためだけに家まで来て。
長ったらしい自慢や、馬鹿にしたような言葉。
鬱陶しくてたまらないわ。
ーまぁ、君みたいな底辺な人間は僕のようにはなれないね
この言葉にかちんと来てしまった。猛烈に腹が立った。
ーおいおい、まさか僕を殺そうとしてるのかい?笑わせるなよ。君が僕を殺せるわけがない。
馬鹿じゃねえの?人間などを殺すなんて簡単だ。覚悟が決まればの話だが。
ー本気か?本気なんだな?
右手に握ってんのが見えんのか?
ー待てよ!待て。底辺は力ずくじゃないと駄目なのかい?愚かだねえ
どっちが愚かだか。
ー止めろって、止まれって!なんで止まらないんだ!
やめろって、おい!謝るから!なぁ!おい!
やめろ…や…め…
なんで…こんなやつに…こ…ころさ…れ…るんだ
だんだん血が広がっていく。
そうだ。逃げればいいんだ。貯金はたいて海外へ、
あんなやつ死んで当然だ!
バレない、バレない。
我に返り、背筋が凍る。
後ろを見ると、鏡があった。
そこには、心の中が冷めきった俺が映っている。
12/27/2025, 1:14:13 PM