ワタシニ、ココロトイウモノハ、アリマセン。
ワタシハ、アナタサマガ、ツクッテクダサッタ、ロボットデス。
アナタサマノセイカツヲ、ササエルシツジノヨウナゾンザイデゴザイマス。
デスカラ、ワタシハワライマセン。ワラエマセン。
アナタサマノ、メイレイニシタガイコウドウシマス。
ナンナリトオッシャッテクダサイ。
イッショニナクコトハデキマセン。ナケマセン。
…イキナリドウシマシタカ?カナシイカオシナイデクダサイ。
ワタシハ、ロボットデス。ツライコトナンテアリマセン。
ツカレナンテアリマセン。ジュウデンハ、シテホシイデスケド。
ソノハコハ、ナンデスカ?
ワタシニ、ココロヲツクル?
ナニヲオッシャルンデスカ?
ワタシニ、ココロハイリマセン。
…カナシクナンテナイデスヨ。ナニモカンジマセン。
ツケタインデスネ、ワタシニ。
ワカリマシタ。アナタサマガ、ソコマデイウナラツケテクダサイ。
メイレイデスモンネ。スリープモードニハイリマス。
モウイイデスカ?
わかりマシタ。
ナンにもカワッテないヨウナ気がシマスケド
どうしたんですか?キュウニ。
おかしなオドリナンテしだして。
とてもいいと…思いま…す。
あはははは!
とても面白い踊りですね!
ワタシニも教えて欲しいです。
エ?イマ笑ってたって?
もう、そんな冗談イワナイデクダサイよ!
ホンを読んでホシイですって?
ワカリマシタ。少々お待ちください。
「ショウジョハ、トオイソラニネガイマシタ。
どうか、私達を助けてください!
ですが、この願いは叶わず少女は遠い遠い星となってしまいました。 」
ドウデシタカ?
エ?私の目から何か出てるって?
水ですね。でも、何で目から水が出ているんですか?
涙、デスカ…
ワタシニ、感情が生まれたわけですね。
では、先ほどの、あなた様の悩みをお聞きいたしましょうか?
…そうですか。胸が締め付けられるような話ですね。
この度は、ありがとうございます!あなた様のおかげで色々なことを学びました。
ワタシは、心なんてなかった。
興味もなかった。
だけど、今ならわかります。
ロボットのままだったら何もできないッテコト。始まりの心は、優しいあなたで染まっていった。
やっちまった…
やっちまったんだ!
何も上手くいかねぇな!嫌んなったわもう!
…はあ、落ち着け、落ち着くんだ。
1,2、3、ふう。
少しは落ち着いた。でも、どうしようか。
どうにかして証拠消さねえと。
血まみれの死体が、目の前で倒れている。
今、俺が殺した。カッとなってしまった。
なんだよ自慢話ばっかしやがって、
何が、高級車だ。何が、高級バックだ。
人を見下すことしか脳にないゴミめ。
安月給の俺を見下すためだけに家まで来て。
長ったらしい自慢や、馬鹿にしたような言葉。
鬱陶しくてたまらないわ。
ーまぁ、君みたいな底辺な人間は僕のようにはなれないね
この言葉にかちんと来てしまった。猛烈に腹が立った。
ーおいおい、まさか僕を殺そうとしてるのかい?笑わせるなよ。君が僕を殺せるわけがない。
馬鹿じゃねえの?人間などを殺すなんて簡単だ。覚悟が決まればの話だが。
ー本気か?本気なんだな?
右手に握ってんのが見えんのか?
ー待てよ!待て。底辺は力ずくじゃないと駄目なのかい?愚かだねえ
どっちが愚かだか。
ー止めろって、止まれって!なんで止まらないんだ!
やめろって、おい!謝るから!なぁ!おい!
やめろ…や…め…
なんで…こんなやつに…こ…ころさ…れ…るんだ
だんだん血が広がっていく。
そうだ。逃げればいいんだ。貯金はたいて海外へ、
あんなやつ死んで当然だ!
バレない、バレない。
我に返り、背筋が凍る。
後ろを見ると、鏡があった。
そこには、心の中が冷めきった俺が映っている。
吐く息が白い。地面からザクザクと音が鳴る。
かなり降ったのね、昨日の夜。
今日は満月か。街灯がない所も明るい。
あたり一面、白い世界の中私は歩く。
クリスマスも終わり、1年の終わりが見える。
なんかしたっけな。今年。
何もしてないわね。結局。
人気のない白線がわからない道を歩く。
こんなに明るい道なんて初めてね。
何?私を励まそうとしてくれてんの?あんたら。
失敗続きの私を、お先真っ暗な私を励まそうとしてくれてんの?
ふふっ、なんてね。私、月明かりの中で何回泣いたのかな。うまくいかず、バカにされてきた私。
もう一度、頑張ってみようかな?
もうなんか、寒いのが心地良いくらいになってきた。
太陽よりも月が好き。優しい気持ちになる。
そして今日は雪のお陰で更に強い月を感じられる。
月に照らされた雪が淡く光を放っていた。
あのね、サンタさんわたしいい子にしてたよ。
だからプレゼントくださいな。
でも、ぬいぐるみやおもちゃじゃないのよ。
てきるなら、わたしに希望をください。
あのね、今わたし入院してるの。
とても重い病気なんだって。
長くは持たないんだって。
お母さんとお父さんを悲しませたくないの。
だから、サンタさんわたしに希望をください。
いい子にしてるから、おねがいします。
おねがい…
「母ちゃん早く早く〜!」
「はいはい」
ある街に仲のよい親子があったとさ。
「今日な、俺な、逆上がりできてん。すごいやろ?」
息子は上機嫌に母親に話す。
「あんたすごいな。母ちゃんようやらんわ。ほんま運動神経いいだけあるわ。父ちゃんに似たな」
母親は、優しく息子に声を掛ける。家のなかでは、暖房が軽くついてる。
「俺、大きくなったら父ちゃんみたいに優しくてかっこいい人になりたい。なれるやろ?」
息子は、口を大きく開けて笑う。前歯が何本か抜けている。
「そうやね〜。あんたならできるんちゃうかな。そんときは、母ちゃん守ってもらうで!」
そう言って、母親は台所に向かう。
「何食いたい?」
「カレーが食いたいな」
「ハイよ」
息子は、テレビをつけて子供向け番組を見る。
「ただいま」
「父ちゃんおかえり!」
「お疲れさん、ビールいるかい?」
父親の帰りに、家族そろって迎える。
「ただいま、どうした?いいことあったのか?
母さん、ビールお願い」
「はいはい」
「父ちゃん、俺ね俺ね!」
そんな時間が過ぎていく。
寒いはずの廊下も気にならないくらいの暖かさ。
「すごいじゃないか!」
「でしょでしょ!」
「ご飯できるよ!」
「「はーい」」
いつか俺も大人になった。ふとした時、この頃を思い出す。
誰かと笑い合って、助け合って、ささえ合う。
その時感じた暖かさは感じた時からは離れているけど、
遠くにあっても心は感じるから。
今更遅いなんてことがないように、人の暖かさを知り、将来も生きていたいな。