夜空を超えて
私はまた新しい地へ降り立つ。
星屑の子という名を与えられてから、
私はただひたすら
世界を飛び回る役割を果たしている。
星空のクジラがジャンプするところを
見たことがあるし、
星座のスープは
3日に1回は飲んでるし、
星のカケラも集めたりばらまいたり。
結構毎日が充実していて
どこへ行っても
やっていける気がしてた。
星のブランコに出会うまでは。
他のブランコと何が違うのか
私にもわからない。
わからないけど、
何故か惹かれる。
ガラスみたいに透き通ったブランコで
漕ぐと不定期に
ブランコの中にある星が光る。
その光り方に魅了されるのか、
ブランコの透き通り方に魅了されるのか。
とにかく目を奪われる。
ずっとここに居たいと
思ってしまう。
私は星屑の子だから
ずっと同じ地には居られないのに。
夜空を超えて
朝日の向こうへと
飛び回っていなければいけないのに。
これじゃあもう
私やっていけない。
この役割をすごく気に入っていたけど
数回しか乗ったことのない
ブランコに負けてしまう。
私の飛び回る気ままな真夜中が
終わってしまう。
でも1つ願いが叶うなら、
流れ星にお願いができるなら。
"Good Midnight!"
星のブランコはいつの間にか
少女の像が漕ぐブランコとなった。
少女の像の中には星屑が煌めいていて
まるで星屑から生まれた子みたいだった。
12/11/2025, 4:17:18 PM