寒くて
冷たくて
雪だらけの外。
身体だけ先に大人になって
いつまで経っても
子どものまま。
どんなに願っても
時は待ってはくれなくて
ずっと私が私から離れていく。
子どもの私が
裸足のまま、泣きながら
雪の上を歩いていく。
大人の自分を置いて。
頭が痛くて
お腹も痛い。
心地いい匂いが鼻を包んで
このまま甘い夢を見られたら、
そんな叶いっこない
少しの望みを
雪と共に溶かしていた。
届かないから夢は甘くて美しい。
でも目を閉じて
倒れてしまえば
雪は服に染み込んで
水になっていった。
何かを諦めた時
雪は少しずつ溶けていく。
夢さえも溶けていく。
それが嬉しくて、嬉しくて。
雪を空いっぱいに投げて
裸足で走り出した。
なんだか暖かかった。
大人の私はどこかにずっと居たままで
子どもの私だけが私だった。
今ここがどこだか
何もわからなかったけど、
凄く魅力的で楽しかった。
"Good Midnight!"
見慣れない駅、
ネオンサインが輝いていた。
外は真っ暗で雪が降っている。
最初は寒かったのに
今ではポカポカして
どこへでも行けそう。
夜行列車に揺られ
雪原の先へ、もっと奥へ。
いつかの埋もれてしまった
懐かしい場所へ。
12/8/2025, 3:15:24 PM