雪が溶けて、世界に緑がやってくる。
「タイチ、早く! 遅いってばー!」
「待ってよ、ソラちゃん!」
幼馴染二人が慌ただしく駆けていく姿を、ぼくは一人後ろの方でゆっくり歩きながら見守る。
今日は日曜だ。町のボランティア団体のおじいちゃんおばあちゃんと一緒に、公園の草むしりを行う日。集合時間は昼食を食べてから少し後の二時頃⋯⋯のはずだけど、気合十分な二人と、そんな二人に連れ出されたぼくは、時間よりもうんと早く来ている。
「わっ、草ぼーぼー!」
「ホントだ!」
「そりゃあ、ずいぶん長い間、放置されていたからね」
公園の入り口まで辿り着き、驚く二人に、ぼくは後ろから声をかける。
「わたしたちで抜くぞー!」
「おー!」
「全然聞いてないなぁ」
しょうがないか。
張り切る二人の後に続いて、ぼくも公園に飛び込んだ。
そんなとある春の日の、一ページ。
「つくしみつけた!」
「わたしなんててんとう虫みっけたもんねー!」
「二人とも、ちゃんと草抜いてる?」
「「うん!」」
「返事だけは良いな⋯⋯」
2/24/2026, 10:22:36 AM