「そんな顔しないでもっと笑えばいいのに」
君はいつもそうやっていう。
「これでも僕は豊かにしてるほうなんだけど」
「嘘、私が何も考えてないときの表情してる」
当たり前だ。そもそも彼女を基準でものは動いてない。
「高橋くんって笑顔の概念知ってる?」
「馬鹿にしないでよ」
これでも、唯一の男の友人には笑顔を見せたことがある。
「逆に君はいつも笑ってるね」
そういうと、彼女はいつもの笑顔でこう答える。
「そっちの方が、人生楽しいじゃん」
単純なことだ。でもやっぱり、彼女からは本当に知らなかったことを学ぶ。
「僕も笑顔、してみようかな」
「えー、高橋くんがスマイルするなんて想像もつかないし、やめたほうがいいんじゃない?」
「…君はいつも余計なことを言うね」
「へへっ」
このスマイル、ずっと僕のものにしていいかな。
『スマイル』#高橋くんシリーズ
2/8/2026, 10:50:41 AM