「真昼っていつも笑ってるよね」
真昼の親友という肩書きを持つ私がいつも思う事。
「え〜そうかな」
そう言ってる顔も笑ってる。
「あ!高橋くんだー」
彼女の視線の先を見てみると、彼女と性格が真反対の高橋桜夜がいた。
彼は真昼と私の視線に気づき、怪訝そうな顔でなぜか私の方を見てきた。
私じゃなくて真昼を見てあげてよ。
目線でそう促すと、真昼は満面の笑みで「おはよう!」と言った。
「…おはよう」
彼は真昼とは反対に朝の眠そうな顔で言う。
「あ、石井さん、昨日図書室に付箋置いてってたよ」
「え」
まさか私が使ってる付箋だと分かって持ってきてくれるとは思わなかった。
「あ、本当に私のじゃん。ありがと」
「ねーなんの話ー?私も混ぜてー」
太陽のように明るくて周りを照らしてくれる真昼と、月のように静かでゆっくりとみんなを観察している高橋くん。
2人はお互いを引き立てる唯一無二の存在なのかも。
『太陽のような』#高橋くんシリーズ
新しい環境、新しい人間関係。
4月から新しい場所に行く。
それは、今までとは違って知ってる人が極端に少ない場所。
環境に馴染めるか、友達ができるかなんて、誰でも思うこと。
今まで仲良くしていた人とも強制的に離れてしまうこのシステム。
もちろんこれからも仲良くしていくつもりだ。
でも、私達は変わる、新しいところで、新しく自分らしさをつくる。
まるで、私達を生かしてる4つの季節のように。
『0からの』#実話#春から高校生
同情した。
誰にでも、何にでも。
人から好かれるために。人から嫌われないために。
そしたら、そしたらね。
自分が見えなくなっちゃった。
『同情』
「そろそろ桜が咲く頃だなぁ」
独り言を呟いた。
「え、1人で何喋ってるの?もしかして霊感持ち?」
「僕が霊感持ちに見えるの?君こそ幻覚でも見えてるんじゃない?」
「失礼な!私はれっきとした普通人ですー」
いつもみたいに変な彼女との会話。
いつの間にか散った枯葉もなくなって、木の枝には蕾がついている。
「また桜が咲いたらここに来ようね」
「ほんとに?高橋くん約束破りそー」
「どんな偏見を抱えてるの」
来年も再来年も、桜が満開の時も散って枯葉になった時も。
君と一緒にいたい。
なんて、言えるわけないのに。
『枯葉』#高橋くんシリーズ
「いやーまじ合格おめでとう!」
受験に受かった友達に祝福の言葉を送る。
「ありがとー」
でも、あまり普段と様子が変わらない。
「なんか、喜びはないわけ?」
「いや、まだ受験があるやつもいるのに喜んだりしたら、クラスの雰囲気悪くなるだろ?もちろんお前も受験あるし」
「あー」
「だから、俺は支える側にまわるんだよ。これから受ける人達の」
「いいやつだな」
こんな友達を持った自分を誇りに思えるくらいだ。
「それにしても、卒業まであと20日きってるってやばくね?」
「そうだな。だからこそこのクラスで最後までつくりあげていくんだよ、青春を」
もう後戻りはできない生活だけど、今日、今この頃の一つ一つを笑顔で見送りたい。
『今日にさよなら』#実話(※本名ではありません)