切り裂くような冷たさも、とうの昔に感じなくなった
何も見えない暗闇の中、膝上まで積もった重たい雪をかけ分けていく
息を吸うたびに肺が痛くて咳き込んだ
体の表面はもう何も感じなくて、体の中心だけが熱く拍動している
頭が痛い 心臓が痛い
ふらふらと歩く、どうしてまだ足が動くのか、もはや分からなかった
ぐしゃりと雪に足を取られてバランスを崩した
手を出す余裕もなく 冷たい雪に全身が沈む
雪は冷たいはずなのに皮膚が焼けるように感じた
倒れ込んだまま、もう指1つ動かせなかった
閉じていくまぶたの間に見えたのは
ただただ純白の雪だけだった
すべてを覆い隠して
あとに残るは
雪明りの夜
12/26/2025, 4:50:00 PM