Love you
#枯葉#同情#0からの#太陽のような
からのシリーズ小説。お題は、毎回無理やりねじ込んでます。加筆中
「先ほどは賑やかでしたね」
驚いて思わず腕を動かしてしまい点滴のチューブが軽く張った。
「痛かったですか?」
「別に…」
返事を短くして平静を装いながら、頭の中で適当な言い訳を探がしていく。本当の事を言うわけにもいかず、だからといって独り言とするには普段の自分は無口すぎる。声を出して笑うような動画も殆ど観ないのですぐには思いつかないでいた。
「個室内での通話は原則として問題はありませんが、出来ればもう少し声を抑えて下さいね」
あれこれと考えている間に、相手の方が先に口を開いた。
(動画電話で良かったのか…)
昨日病室に来ていた姉にスマートフォンを借りて動画モードで外を映すと、画面の中には、揺れる枯葉しか写っておらず、自分のスマホの画面を通しても、二雪(ふたゆき)姉さんには見えていない様子だったので通話という考えが自然と頭の中から消えていた。
(俺に霊感なんかあったっけ)
考えを再び巡らせていると、目の前に「聞いてますか?」と言わんばかりの表情の担当看護師の顔があり、驚いて思わず声をあげてしまった。
「…あと夜間の通話は大部屋と同様、消灯後は控えてください、うるさいので」
この男性看護師との付き合いは何時の頃からになるだろう。今は、40歳くらいになるのだろうか。眼鏡の奥の目が、一見して笑っているようで、実はそうではないので、昔から苦手にしていた。何時だったか「私の連絡先渡して来い」と姉に、IDの書かれたハートの形のメモ用紙を渡されて以来、この看護師が担当の時は秘密にしていたが、共通の知人の兄だと分かってからは、何故か四人のグループチャットが存在していた。
「夜からの鎮痛薬は内服になったので、食後必ず飲んで下さいね。」
「一時間後にまた来ます。」そう付け加えて、食事の横に内服薬と水の入ったコップを置いて、眼鏡の担当看護師は、個室を出ていった。
食後服用のその薬を飲むために、空いている利腕で箸を持ったが一旦トレーへと戻し、スマホを動画モードにして外の枯葉へと向ける。画面の中では、不満そうな顔がこちらを見ていた。
「だから、ずっと見てんなって」
外と会話が出来るように、窓は「風に当たりたい」と説明し、開けたままにしてもらっている。空調が利いていて本来は、換気など必要無いのだが、「個室の間だけですよ。」と知り合いのよしみで特別に許可してもらった。
「ナイトさんと二人だけで楽しそうにして。」
枯葉は、担当看護師になっている男のことを「ナイトさん」と呼んだ。知り合いの兄なので本名は知っているが、その名前ではない。枯葉が何故そう呼んでいるのかは、今は聞かないでいる。
「してねーよ」
軽いリハビリに入った今日は、一緒になる事が多かったが、重ねて言うと俺はあの看護師が苦手だ。
余りかまってもらえず、拗ねている枯葉に「夜は相手してやるから」と、なだめるように言ってやると枯葉は「本当に?」と、いつもの無邪気な顔に戻り、続けて「大好きだよ」と笑った顔で言ってくるものだから、少し恥ずかしい気持ちになった。
(弟が居るってこんな感じか…)
動画モードを解除したスマホを机に置いて、再び箸を持ち直し、体を直す為の食事に集中した。
(後書き。)
AIのお陰で、院内事情に詳しくなる日々^^;
このお題のせいで、危うくびーえるにまっすぐ突き進むところだった。
2/23/2026, 2:58:12 PM