少しひんやりとした誰もいない休憩室。
仕事に集中し過ぎて、休憩をするのを忘れてしまっていた。
上司に少し休憩しろと言われ、俺一人だけ遅い休憩をしている。
自販機であたたかい缶コーヒーを買い、椅子に座ってプルタブを開けた。
一口飲むと、ふうー……っと溜め息が出る。
やっぱりコーヒーはブラックに限るが、疲れた脳をリラックスするために、何か甘い物が欲しいな。
残念ながら、お菓子とかは持っていない。
「おつかれさまです。よければこれどうぞ」
同じ職場の女性の田中さんが休憩室に入ってきて、何かが入った小さい包み紙を三つくれた。
「一口サイズのチョコです。コーヒーのお供に食べてください」
「ちょうど甘い物が欲しかったんだ。ありがとう」
「いえいえ。では、私は職場に戻りますね」
田中さんは少し早足で職場へ戻っていった。
もしかして、わざわざ俺のために持ってきてくれたのだろうか?
いや、そんなわけないか……。
手のひらに乗った三つの小さい包み紙。
早速一つ開けると、中には四角いチョコが入っていた。
口の中へ入れた瞬間、甘みが口の中に広がり、幸せな気分になる。
田中さんに感謝しながら、リラックスした。
12/19/2025, 10:54:43 PM