大好きな貴方の視線の先には
いつも青いドレスを着たあの人がいた
美しく儚げで目を離したら消えてしまいそうで
私がどれだけ可愛らしい衣装を着て
どれだけ貴方にアピールしても
あの人に与えられた愛の一欠片さえ
私に注がれることはない
ふと顔をあげると目に入るのは凍てつく鏡
そこに映るばかみたいに着飾った自身の姿
なんて醜いんだろう
あの人に勝てるはずがない
私は瞬間的に鏡を叩き割って
バルコニーに飛び出して月を見上げた
私にとってあの人はまさに月のような存在
あんなにはっきりと光り輝いて見えるのに
手を伸ばしても、決して届くことはないの
あの人に恋をした貴方の心も
決して私のものにはできないの
12/27/2025, 8:12:58 PM