ぽんまんじゅう

Open App

〈見えない未来へ〉


 科学技術が著しく発展し、人類は誰でも未来が見えるようになった。人々は皆数十年も先を予知し、都合の良い未来に従って生きた。必要が無い天気予報は消え、予知されては意味がないのでテストも無くなった。受験や就職の面接も未来予知でで判断される。その為人々は次第に努力しなくなり、未来の為に必要最低限のことしか行動しなくなった。
 それでも世界は上手く回った。誰も不満を感じず、未来が見えなかった時代のことは忘れ去られた。
 だがある日、全世界の人々の未来予知能力を管理している機械が突然壊れた。人々はパニックになった。科学者達は急いで直そうとしたが元通りにはなりそうも無い。人々は見えない未来に不安を感じ、一歩も外に出ない者も数多く現れた。
 政府が、数十年は機械は直らないだろう、と発表した。人々は能力が戻るのを待つのを諦め、未来が見えない状態でも何とか生活する方法を探し始めた。学者達は能力か無かった過去の記録を読み返して良い方法を探し、学校ではそれらの発見されたことが教えられるようになった。
 数年後、未だに未来は見えなかったが人々はその生活を楽しみ始めた。何が起こるのか分からなくて毎日が刺激的だ。以前は結末が分かって面白く無かった過去の本や映画にもワクワクした。
 
 未来が見えないこの時代を生きる私達は、誰しも一度は「未来が見えたら良いのに」と思うだろう。でも、何が起こるのか分からない方が案外楽しいのかもしれない。




(テスト前なので雑になってしまいました。またいつか機会があれば書き直したいです。)

11/20/2025, 11:18:49 PM