近藤らく

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誰もが生まれてから死ぬまで、
何かをゼロから生み出しながら生きている。

生業、財力、地位、絵画、詩……。

街を歩けば、電信柱やアパートが、
コンクリートに覆われた地面から生えている。
私たちは、人の手によって生まれたものを、
一日として見ずに過ごすことがない。

私も人生の道半ばではあるが、
人類の進歩にわずかなりとも関わってきたつもりだ。

そんな中、先月、第一子を出産した。

十月十日、腹の中で育った命を、
痛みの中でこの世界へ送り出した。

血に濡れた小さな身体は、
いまや息を吸い、声を上げ、乳を求める。

放っておけば死んでしまうその存在を、
私は骨身を惜しまず世話をする。

息子は、これまでに私が作った何よりも、
完成され、そして何よりも未熟なものだ。

そして私は息子を産んだことで、
自分の中にも新しい何かが、育ち始めているのを感じている。

2/21/2026, 3:16:20 PM