たーくん。

Open App

自室の床に置かれた無数の段ボール。
今日は仕事が休みなので、部屋の掃除を兼ねて断捨離することにした。
ある程度、いらない物を段ボールに詰め終わり、残るは……。
目の前の白いクローゼットと目が合う。
多分、約一年ぐらい開けていない。
いや、開けたら当時のことを思い出してしまうから、開けないようにしていたのだ。
覚悟を決め、クローゼットを開ける。
中には、沢山の可愛い服とスカートが眠っていた。
どれも全て、お気に入りだった服達だ。
……当時付き合っていた彼氏との思い出の服でもある。
出来るだけ見ないようにして服とスカートを掴み、サッと段ボールへ入れていく。
この服は確かデートで着た時の……このスカートは彼氏が似合うって褒めてくれたなぁ……。
だめだめ!思い出すな私!過去に囚われるな!
両手で一気に服達を抱き締め、クローゼットから取り出して段ボールへ投げ込む。
……よし、これで全部。
段ボールの蓋を閉じ、ガムテープを貼った。
どっと疲れが出てきて、段ボールを椅子代わりにして座る。
目の前には、中が空になったクローゼット。
私の心の中も、今こんな感じなのだろう。
……また、新しい恋が見つかるよね、きっと。
しばらくの間、何も入っていないクローゼットの中を、ぼーっと見ていた。

2/17/2026, 10:06:34 PM